ルナSIDE

『ンッ…』

スーっとする薬品の匂い…

ここは病院なのかな?助かったのかな?

ふと、横を見ると

大竹 海斗 が手を繋ぎ、眠っていた

ドキドキと鼓動が早くなる…

これは何なの?

ふと、視線を海斗さんに戻すと

綺麗な金髪を優しく撫でている自分がいた

どうして?私は人形になったはず…

どうして?どうして?どうして?どうして?

どうして 海斗さんのことが愛おしく思えるんだろう…

「ンッ……」

あ、起きちゃう…

「ふわぁ、ん?起きたのか?大丈夫か?痛くないか?」

『だ…ぃ…じょ…ぅ…ぶ…で す』

最近喋ってなかったから声がかすれちゃう…

『ぁ…の、えん…ぴつと、紙…ぁります…か?』

「あ?あぁ、」

海斗さんは棚からノートとペンを出して渡してくれた

『あり…がと…う。」

私は海斗さんが渡してくれたノートに書いた

"助けてくれて、ありがとうございます。最近ずっと喋ってなかったので、声が掠れてしまうので、ノートとペンを借りました。もう少ししたらちゃんと喋れると思います。本当に、助けて頂き、ありがとうございます。"

海斗さんが、読み終わったみたいだ

「なぁ、お前の名前は?」

カキカキ "新美 ルナ<にいみ るな>です。"

「そうか。ルナか。」

ドクン あー、私 本当の人形だと思ってた…

不思議… さっきまで本当の人形だったのに、今でわもう ふつうの人間っぽくなっちゃってる…

本当に不思議…

海斗さんに名前を呼ばれただけでこんなに嬉しくなるとか…フフフ♪

『海斗、さん。たす…けて…くれて…ありがとう…ござい…ます…。』

ふぅ。結構喋られるようになってきたな…

もう少し、頑張るか!!