「いろいろあり過ぎて人に頼ることが苦手なの。だから助けてあげて」


「当たり前。任せろって」


胡桃を支える自信はある

なにがなんでも絶対に助けてやるって決めたんだ

病気だろうがなんだろうが関係ねぇよ


そんなことを考えていると

総長部屋から声が聞こえたので急いで部屋に向かうと


「いや、やだ。お母さん、お父さん行かないで。お願いだから私を一人にしないで」

胡桃が寝ながら魘されていた

泣いてほしくなくて

泣いている胡桃を抱いて幹部部屋に戻った


そして胡桃を膝の上に座らせて抱きしめた


「胡桃。大丈夫だ。俺がお前を一人にさせないから泣くな。何も心配することはないから、安心して眠れ。俺がいるからな」

まだ泣いている胡桃にそう話しかけ、また胡桃のおでこにキスをした


まわりのやつらが驚いているが無視だ無視


「うっわ、お前ほんとにあの空牙かよ?」


「うっせぇよ、昴」

「人って変わるもんだねぇ」

藍都まで言うか

「2人ともそれくらいにしないと空牙がキレますよ。まぁ、確かに俺も驚きましたけどね。あの無表情の空牙がこんなになるなんて笑」

柊もかよ

「お前らうるせぇよ。胡桃が起きるだろ」


そう言って腕の中にいる胡桃を見た

今は安心して寝ているようだ


そのまま胡桃の後頭部を撫でていると


「そんなにあんたに、愛されてるなら安心ね。正直遊びなんじゃないかって思ってたけどほんとに本気みたいだし」

「そうだな。胡桃を頼むな空牙」

「当たり前だ。何度も言わせんなよ」

「だな」

そんな会話を達哉としていると

「ねぇ。二人って知り合いなの?さっきからなんか親しそうだけど」


「あ?言ってなかったか?ここの幹部のやつらと俺ら中学ん時よくつるんでたんだよ」

それを達哉が言うと

「えっ!?そうなの!?あ、そーいえば達哉って中学ん時結構やんちゃだったっけ笑」

「お前なぁ………」

「ごめんごめん。でもだから朝あんな事言ったんだね」

「まぁな」

「朝?」


藍都が聞くと


「入学式の前にお前らに胡桃を助けてくれるかもって話をしてたんだよ」

「そうか」

そんな話をしてると

「ん」


胡桃が目を覚ましたらしい

「あれ?空牙?私…………。あ、繁華街で倒れたんだった。迷惑かけてごめん。」

「迷惑なんかじゃねぇよ。俺が好きでやってんだから気にすんなよ。頼れって言ったろうが」

「うん。でもごめんね。ありがとう」


「あぁ。」

「うん。てか、なんで膝の上にいるの?私大丈夫だから」


恥ずかしくなったらしく俺の膝の上から降りるが

まだ貧血が続いてるのかふらついて倒れそうになった

それを慌てて支える

「大丈夫じゃねぇだろ。無理すんな。いいからここにいろ」

「でっでも大丈夫だから」


「胡桃ー。胡桃も久遠のそばの方が安心するでしょ?」

谷中が言うと

急にモジモジし始めた

「そっそれは………」

「ふふっ。それなら久遠のとこにいた方がいいよ♪」

「…………分かった。ってなんでそんなに嬉しそうなの?」

胡桃が俺そばにいる事が安心するなんて嬉しくて頬を緩めていたら胡桃に見つかった



それでも嬉しくて仕方ない

好きな女にそんなこと思われてるなら俺は幸せだ

空牙side end