君だけに。



「ちょっ、…わっ!」




香はコケた。


「ぷっ…くくくっ…」

「なっ、笑わないでよっー!」



こういうのが好きなんだ。



香を笑顔にしたいんだ、俺は。




「ほら」


俺は手を差し出した。



「え…?」



「立てねーだろ?」



そう言うと香は俯きながら俺の手をとった。