君だけに。



「…り、…おり?香?」

「へっ?」

わ〜、あたしってば絶対マヌケな顔してたよ〜。


「なんかぼーっとしてんじゃん?」

「あ、うん…。なんでもないよ」

「ほんとかぁ?

つか、俺ら席まで隣なんだけど」

「わっ、ほんと?」

「まじまじ。

すげーよなーぁ。家も席もって」

「そうだね」


なんか、モテる琇聖を見るの…なんか好きじゃないや。


なんでだろう…。


「琇聖〜!こいよー!」

「んー、今いくー」


行っちゃった。



「香ーーー!」

「あ!美弥〜!」


佐藤美弥。
去年からのあたしの親友。


「あのね、香に報告したいこと…あるの」

「ん?」