君だけに。



「…なに先帰ろうとしてんの」


「だって女の子たちいるじゃん…。

あたしは美弥と帰ってもいいんだよ?」


その時、少しだけ腕の力を弱める琇聖。



あ、やだな…。


ほんとは…一緒に帰りたい。

好きっていうわけじゃないのにこんなこと言っちゃだめだよね。



…好きじゃない?
じゃあこの気持ちは何?


わかんない。わかんないよ琇聖。


「じゃあ、あたしは帰るね…」

「待て、香」