君だけに。





「香…?」


あ、掴んだままだった…はずかしっ…。



「怖くて…ごめんねっ…」

あたしはパッとはなした。


「いや、ヘーキだから。


つか、寒くね?半袖より袖短いよな」


あたしのは…うん。


元々短いタイプだから…。



「…大丈夫だよ」


「風邪引いたらやべーだろ」


そう言って琇聖は持ってたパーカーをあたしに着させた。


琇聖の匂いがふわっと香る。



もう…ドキドキしちゃうよ…。

全然諦めれないし…。


「琇聖が風邪引いた方があたしやだよ…」

「…っ…俺は…男だから」



そう言ってまた歩きだす。