君だけに。




次の日の朝、あたしは遅刻しそうになった。



「はぁぁ…間に合った…」


「ぷぷっ…」


「ちょ、美弥〜!笑わないでよ〜」


「はいはい、ごめんねぇ、香ちゃーん」


「…もう」


ガラガラガラーーー…



「お前ら!今週の土日に、一泊二日で山奥に行くぞー」


「なになに?せんせーキャンプー?」


隣で琇聖が手をあげて聞いている。


「よく聞いてくれたな〜!


勉強合宿だ!あはは」


「まじかよ〜…」


そう言って琇聖は机に突っ伏した。