君だけに。



えいっ!

あ、届くっ!


パシッ

その時琇聖に腕を掴まれた。


ドキッ


「まだまだだな?香」

そう言って意地悪な笑みを浮かべてる。


「も、もーすぐで届いたのに…」


あたし、動揺…してる?


琇聖に触られた腕が熱をおびてる。

なに…この気持ち。

あたしは何だか分からなくなって俯くまま。

「なした?香?

熱でもあんのか?」


琇聖が顔を覗き込んでくる。