そして翌日、オレは登校早々に廣子のところへ行……

 クソッ! オレの考えなんかお見通しかよ。

 優のことだから、登校時間もチェック済みなんだろう。


 「廣子おはよ~」


 と言って二人の会話に割り込んだ。


 「おはよう」


 おっとり口調でにっこり笑う廣子。

 可愛い。

 妹にしてぇ……と女のオレが思うんだからな。

 そりゃ~タイプだろうよ、この男には。


 「昨日、途中でメール返せなくなってごめんな?」


 すかさずオレは新しい話題を提供して場の主導権をかっさらう。


 「全然いいよぉ」

 「マジあれはいい話だわ」

 「何なに?」


 表情一つ崩さないで優は会話に侵入。

 かかったな優。

 つき合い長いからな、お前のことなんかお見通しだよ。

 オレと廣子がメールで話してた本とは全然違う本のことをベラベラと喋ってやった。

 途中でチャイムが鳴ったお陰で優はオレと会話するばっかりで、貴重な貴重な朝の時間を費やしてしまった。




 ざまあみろ~っ♪




 あとは移動教室とかでお前忙しいもんな。

 昼飯は学食だろ? オレらは弁当だぜ。

 確か今日の放課後は生徒会だもんな~。

 と、本日の勝利を確信したオレ。




 が、甘かった―――――