この変態男から守ってやる!!


 「渡さねぇって、結城さんは千亜希のものじゃないでしょ?」

 「オレの友だちだっつったろーが。テメェはまだ友だちでもねぇんだからな!!」


 オレのが距離が近いんだよ。

 だから(どちらかといや)オレのモンだ。


 「協力してくれないの?」

 「するかボケェッ!」

 「けちぃ」


 何とでも言いやがれ変態野郎!!

 とは決意したものの――――

 ホントいうと、自信ない。


 だって相手は「ボン・ジュ~ル・マドモァゼ~ル」とか言いながら

 女の手ぇ取ってキスしたところで笑い者にさえならなそうな男だ。



 ただ美形ってだけじゃねぇ。



 雰囲気から何から周りとは違って、マジで「ボン・ジュール」とか言い出したとしても、

 ヤツがおかしいっつうより、その空気についてけない自分らが情けない、とか思わせるような野郎。



 手強い。



 こりゃ、明日から廣子と常に一緒にいなきゃな。

 あいつの印象を悪くしてやる!