バカと利口は紙一重~実話込み~

 次の日、学校行ったら優が休みだった。

 珍しい。

 『風邪引くなよ』とか言っときながら、自分が引いたっぽい。

 優らしいねぇ……と思うのは多分オレだけ。

 風邪引いたのオレのせいでもあるから、見舞い行ってやるかな。

 廣子誘ってったら、きっと明日には復活だな。


 【優の見舞い行こうと思うんだけど、一緒に行かねぇ?】


 こういうことはおおっぴらに言っちゃダメだ。

 図々しい優のファンクラブが何を言い出すか分からない。


 「ねぇ久島さん、優様のご機嫌を伺いに参りません?」


 あらら、考えることは一緒ですか?

 ゆる巻きパーマを「天然パーマ」だと言って譲らない、早乙女愛が髪を指に巻き付けながら優雅に話す。


 何かお前学校間違ってるら!


 とオレは思うんだけど、頭は悪くねぇんだよな。

 学年二位だもん。

 つまり、優のすぐ下。

 金持ちだから英才教育だろうと、オレは思ってる。


 「そうだね! 心配だもん。行こう行こう」


 ホラ、早乙女は浮いてる。

 そんなお嬢口調で話すのは早乙女くらいのもんだ。


 【私も行こうと思ってたところだよ。昨日、木村くんと小さな傘一本で帰ったんだけど、

 木村くんビショビショに濡れちゃってね】


 イイ感じイイ感じ。

 こういう気持ちが、恋愛感情を生成してくれるんだ。

 オレは廣子に五時頃、優ん家の最寄り駅に来て貰うことにした。

 優とオレは中学校一緒だったから優ん家行くのに電車なんか使わねぇけど、廣子は違うからな。

 午後五時ちょっと前に駅に行くと、廣子はもう待っていた。



 けど……

 うわ、なんてことー!?