バカと利口は紙一重~実話込み~

 脳裏に浮かぶ廣子のメイド姿。

 セーラー服、ナース、何だか分からんアニメの制服……

 あ~っ廣子が……汚される……

 頼む、どうかオレの予感よ最後まで妄想であれ!


 「廣子に変なことしたら、オレ許さねぇよ?」

 「別に? 何も考えてねぇよ?」

 「じゃなんだよその顔はぁ!!」


 鼻息荒くねぇ? 耳赤いぞ。

 真顔になってるつもりだろうが、口元から笑みが消えてねぇ!!



 危険だ……実に危険だ……



 こんなヤツと廣子のキューピットやっちまっていいのか??

 純粋清楚で清らなる廣子。



 いいのか……いいのかオレぇっ!!


 「いいなぁ光源氏って」


 しみじみと優が言い出した。

 ヤ……バ……イ……?


 「どこの辺りが羨ましい?」

 「何でもできるじゃん」

 「お前も変わんねぇよ」


 オレの言葉に優はふっと静かに笑う。

 オレが予想してた理想の彼女を手に入れられそうな高揚感とか、

 全てを持ってる源氏に対する羨望とか、そんな激しい感情はそこにない。

 だけどそれも一瞬のこと。


 「だよなぁ。俺、完璧だから」


 もう優はいつも通りだ。