足早になり、カバンを握る手に力が入る。

 両肩の感覚が狭まって、前屈みになった。

 だけど遙か彼方、廊下の突き当たりある真っ暗な教室のドアが

 急に開くんじゃないかとか思ったりして、顔を下げることができない。

 見てないと、何か起こりそうな気がする。



 止まるな? 止まるなよオレ。



 何か変わったことすると、空間に変化が起こって、何かなる……かもしれない。


 慎重に、慎重に。

 怖がってること、知られないように。


 そっと……そっ―――――









 コンコンコンコンッ



 「ぎゃ~~~~~っ!!」