だけどなぁ……どう考えてもヤギだろ、うん。

 しかしこの落ち込みようときたらハンパねぇ。


 「廣子、ローションティッシュ食うらしいよ? ちょっと甘いんだって」


 ヤギって言われたことにショック受けてんだから、慰めにもなんねぇか。

 どうしよ……

 優はまだうつむいて、じっとして動かない。

 けどその体勢がかなり不自然。

 だって、仰け反ったまんま、オレから顔を背けて、床見てる。

 手は腰の下。

 満腹~って仰け反ってる人みたいに、身体が斜めってんだよな。


 「ぅ……っぅ…ぅっ」


 ゲェッ!! 泣き出したぁっ!!

 慌てるオレ。

 優が泣いたトコなんか、見たことねぇ。

 相当傷つけたんじゃんっ!?


 「ふっ……」


 ピクピク動く、優の腹……肩……


 「ゴメン」


 オレは謝るしかなかった。

 軽率なことしたよ。

 それは認めてる。

 許してくれなんて言わねぇ―――――


 「フフフ……フフフフ……」