今は国語の授業。 シャーペンを指で弄びながら 窓の外を眺める。 「―ばた!柴田!次の文章、読んで!」 「…、えっ?」 まずい。完全にまずい。 何にも聞いていなかった。 柴田愛実、今年で13歳になる12歳。 ただいまピンチを迎えております。 周りに助けを求めようと目線を送るが 誰一人として目を合わせようとしない。 …やられた。 誰も先生の話なんて聞いてないのか。