「…なみ?まーなーみー?おーい?」 その声にはっとすると目の前では 美里が手を上下に振っていた。 「ん、え?なに?」 当然昔のことを思い出しながら 廊下から玄関へ、玄関から部室棟へと 歩いていたあたしの耳には 何も聞こえていない。 「えぇー?聞いてなかったのー? だから今日部活やるとこ 少なくない?って言ったの」 「あ、ほんとだ、少ないかも 外の部活陸部だけじゃない?」 周りを見渡しても 着替えてる人も準備をしている人も こっちのほうにきている人さえ 見当たらない。