思わず顔をあげて目が合う。 [あっ!何でもねー] そのランドセルを背負った少年は あからさまにそう言って どこかへ行ってしまった。 [愛実のこと見に来たんだよー] 横から聞こえる声には 気付かないフリ。 あなたみたいなポジティブ人間に なってみたいなーと いつも思ってます。よ。 居残りはできた人からさっさと 帰れるシステムだから あたしは周りの子に一声かけて 廊下に置いてあった ランドセルを背負う。