「さっさと席に着けー。」

そう言って入ってきたのは、担任らしき先生。


ん？でも私この先生知らないんだけど。


そんな、私の思いを知ってか知らずか、こんなことを先生は言い出した。


「先生の名前は、橋本裕也。今日から君たちの担任になることになった。といっても、今日、

ここに始めてきたから、わからないことも多いと思う。だから、みんなよろしくな！」


そんな橋本先生はイケメンで、そのうえ、運動神経も罰群らしい。



「じゃあ、一番端の席から順に自己紹介してくれるか？先生、何も知らないから。」



一人目の男子が立ち、自己紹介を始める。


―――――――それから、蒼太の番。




「中森蒼太です。部活は、サッカー部とテニス部のキャプテンです。ちなみに、掛け持ちなん


で。それと……俺はリア充です。」


少し照れながらそう言う蒼太はとてもかっこよかった。


でも、すこし悲しい気持ちもある。だから、蒼太がこっちに来て、あんなことを言うなんて、予想外だった。



「この子、俺の彼女。……だから、みんな手だしすんなよ。」



(は！？　意味わかんないですけど！　てか、彼女って……私、告ってないんですけど。)



「ちょっと！　なにそれ。勝手に決めつけないでよ！」


(あっ……また、やっちゃった。いつも、素直になれないんだよなぁ。)


「ん？何か？てか、お前俺のこと好きなくせに。」


「は？何言ってんの？自意識過剰なんですけど。」


「ほんっと、美空は素直じゃねーな。」


いつもこうやって蒼太と私は近づくと喧嘩が始まる。


だから、……ずっと片想いだった。

あんなことを言われてもうれしかったのは事実。だって彼女なんて、好きな人に言われたら、もうどうしようもないじゃん。


あーあ。どうしよう……とか思いながらも、内心嬉しいのは隠せないよ。