───しばらくして、
裕樹くんの唇が離れた。


すると、

「ダサいな。」

と、ニヤニヤ笑って言った。


ムカッ。


私の怒りが爆発した。


「何よ何よ!

新しい家に来たら、
ほっぺたつねられたり
デコピンされて!



しかも、着替えさせといて
ダサいなとか言うなら


キスとか着替えさせないでよ!
その…勘違いしちゃうし……。


っ!だから!裕樹は
私と二度と話さないで!

裕樹のっ、バカァっ!」


私は、裕樹くん…


いや裕樹を突き飛ばし、

部屋を出て無我夢中に走った。



頭は真っ白。



…もう、やだ。




───っていうか、


「ここどこ……?」


さっきは、執事さんに
案内をしてもらってたけど

一人だし……。

っていうか、迷子じゃん!


「もうどうしよぉ……。」



すると、いきなり誰かに
グイッと腕を引き寄せられて、


「どうしたの?」

と、知らないチャラ男?
みたいな男の子に言われた。

「え……えと……。」

突然、腕を引き寄せられたから、
とぎまぎしていると、

「ふふっ、君可愛い。
キスしたくなるよ…。」

「ふぇっ!?そ…そんな事っ…」

あまりに男の子が言う言葉が
ストレートだから、
私は真っ赤になって、俯いてしまった。