-----鈴香side-----

衣装室では、
たくさんの召使いの人達に

ドレスや髪型、メイクを
施してもらって、

裕樹くんに見せようと
衣装室を出た。


目の前には、裕樹くんは
居なくて執事さんがいた。


とりあえず、裕樹くんの
居場所が知りたかったから、
執事さんに、

「あ、あのぉ…」


「ああ、今日から
家に来る飯田鈴香様でございますね。


今から、本当は
裕樹様のお父様に鈴香様が
ご挨拶に行かなくては
ならないのですが、裕樹様の
どうしてもという命令で、

【鈴香様を裕樹様の
お部屋にご案内を】

と命令されております。


なので今から
私、桧山がご案内致します。」

と執事さんは言った。


私は執事さんの案内で、
なぜか裕樹くんの部屋に行った。


執事さんは、


「それでは、裕樹様とゆっくりと
お喋りなさって下さい。


裕樹様のお父様は、
「いつでもゆっくりと来なさい。」
と仰っておりますので御安心を。

それでは、失礼致します。」

と、言うと、私に
綺麗なお辞儀をして、去って行った。




───コン、コン。

私はドアをノックした。


「はい……。誰だ……?」

「あ、あの…。れ、鈴香です…
入っても…いいですか?」

「ああ…鈴香か…。入れ。」


そう、裕樹くんからの
返事が来たため、ドアを開けた。


部屋の中は、白を基調とした
シンプルな家具が綺麗に置いてあった。



裕樹くんは、真ん中に置いてある
真っ白のソファに、座っていた。



裕樹くんは、私が入ったことに
気づくと、私を驚いた顔で見つめた。



裕樹くんはずっと私を見つめていた。
だから…

「私また、ドレス着替えて
来た方が…いいですか……?」


そうおどおどしながら聞くと、



裕樹くんは私に向かって
歩いてきて、


顔が近づいて来た………。


どうせ、また、からかわれる…。
と思ったから、


「ど…どうせ、裕樹くんは…
私をからかおうとして……んっ……」



何が起こったの?



あまりにそれが突然過ぎて、
もう脳内はショートしている。



だって………


き、き……きす
されたんだもんっ。