学校へ着くと、
裕樹は、女子達に囲まれていた。

あちらこちらから黄色い声が
聞こえてきて、耳がキンキンする。


チラッと裕樹の方を見ると、
裕樹は、女子の肩を抱いている。

───モヤモヤ。

えっ。何これ。凄く心が
モヤモヤする。

ふん!知ーらない。
と勝手に言い訳して、

私が新しい桜色の上靴に
履きかえようとした時、

「君が飯田鈴香ちゃんかな?」

と、上から声が降ってきた。

「へ?」

顔を上げると、
見たこともない背の高い男の子がいた。

「どなた様で……。」

と、とぎまぎして聞くと、

「俺は、二年の佐野巧真。
巧真と読んでくれればいいよ。」

「た、巧真くん
よろしくお願いします。」

と言うと、私はぺこりと頭を
下げた。

「うんよろしくね。鈴香ちゃん。
あ、それで、鈴香ちゃんのクラスを
案内しろって先生に
言われたから来たんだ。
こっちだよ。着いてきて。」

「あ、はい。」

私は、巧真くんの後に続いて
廊下を歩いた。


廊下を歩くと、
女子の鋭い視線。
きっと、巧真くんも
人気があるんだろうな……。

だって……。
背が高いし、顔もとてもかっこいい。

私なんかと











───ガラガラ。