「んーと、中戻りましょうかね。みんな待ってるだろうし。」


耐え切れずわたしが歩き出すと


「すみません!」


後ろから大きな声が響いた。
振り向くと、二つ折りになるんじゃないかという勢いで
彼が頭を下げている。


「え?え?? えっと…。」


何が起きているのかわからず戸惑っていると
彼が顔を上げこちらに一歩歩み寄った。


「俺、何も知らなくて……無神経なこと言って、、、本当にすみませんでした。」


もう一度深々と頭を下げる。


「あー…、都に話聞いたのかな…。」

「いや、話は近藤さんに。その後、都さんにがっつり怒られました。」


頭を上げてこちらを見ながら、ばつが悪そうに彼が言う。
なんとなく想像がついて、わたしは思わず苦笑いした。


「ごめんなさい。矢島さん何も知らなかったから仕方ないのに。
……でも、都のこと悪く思わないでくださいね。
ちょっと熱いところがあって、暴走しちゃうこともあるけど、ホントにすごくいい子なんです。」

「わかってます。それに今回の事は俺が悪いので…。
その、なんていうか……その……ちょっと座りませんか。」


相変わらずばつの悪そうな顔をしている彼に促され
わたしたちはさっきいた場所に腰掛けた。