小さな泣き声が聞こえる。

…誰か、、泣いてる―――?

聞いたことがある声……これは――――



ゆっくり目をあけ、まぶたを拭った。

濡れた手を見て、思わず笑ってしまう。



「…わたしか……」



泣いて起きるのはめずらしい事じゃない。

前に比べれば、かなり少なくなったけど。



時計は5時半を指している。

少し早いけど、目が冴えてしまってもう眠れそうにない。

隣でぐっすり寝ている美緒を起こさないように、そっと寝室を出た。