すると、ボッ、というまるでライターが点火したときのような音がして、陽司の人差し指や親指があったあたり、空中に小さな火が灯った。 小さな火の玉に煙草の先をくっつけて、火を点ける。陽司はその火の玉をゆっくりと握りつぶす。すると、火の玉はたちまち消えてしまった。