「…ありがとう。でも大丈夫だから。行っ てきなよ」 「…ん。何かあったら屋台の方にいけよ? 葵」 私に念を押した彼は切なそうな顔をして 名前を呼んだ。 なんでそんな顔で呼ぶのよ…。 胸の高鳴りが収まらない。 むしろさっきより速く動いている。 伊織と一緒にいると胸が締め付けられる。 苦しいけど、甘い。 ホントに些細なことで悲しくなる。 でも、伊織が見せてくれるいろんな表情や 彼の甘いキスに溺れてる。 こんな事今まで感じたことなかったのに。