伊織が私の目の前で手をヒラヒラさせな がら顔をのぞき込んでくる。 目の前の海が綺麗すぎて聞いてなかった。 「俺ちょっとトイレいってくるけど。お前 どうする?」 「1人で待ってるよ。なんで?」 なんでそんな事聞くんだろ? 2人で行かなくてもいいよね? 「いや…。その間お前のこと守ってやれな いから」 守ってやれないから。 こっちを見た伊織の真剣な眼差しに胸が跳 ね上がる。 俺様のくせに、以外と優しいから。 嫌いになれない。