「………なにしてんの」
彼は私の髪を手で滞りなくそして自然な手つきで撫でていた
わかりやすく言えば気がついたら撫でられていたという感じか
「ん、いや?」
そして最近やたらと私の髪の毛やらほっぺやらをさわってくる、
ちょっと熱の入った声
「ダンス部の女子にやれば?」
と冷たくあしらい
金子の通っている高校のダンス部は8割型女子らしい
「えー。
さわんないよ。それにもしやったら確実に通報されるでしょ」
そうやって笑う彼は
他に相手がいないから私なのか
さわりたい言い訳をつくってるのか
よくわからない
もし、誰でもいいなら
身代わりのような気がして
切ない
