your voice



「琴音、ちゃん?」

「はいっ!」

「何言ってるの?俺、退学させる気ないけど」

「えっ…」


 わー!私のバカ!!

 勝手に妄想して!!

 めっちゃ恥ずかしいじゃん!!




「…えっと、じゃあ何の用ですか?」

「琴音ちゃん、昨日バイト行ってたよね?なんで?」

「なんでって…」


 全寮制だから、寮費も必要だし、生活費も必要だし。

私には…頼れる人がいないし。


「お金が必要だからです。…だからバイトしてるんです」

「へぇ?それって毎日なの?」

「そう、ですけど」

「それって大変じゃない?」


 何なの、急に呼び出すと思えば…

 私に干渉してきて。


「一体、何が言いたいんですか?」

「昨日琴音ちゃんのこと軽く調べさせてもらったよ」

「は?」

「ボーカル専攻なんでしょ?
本当は放課後も、歌の勉強したいんじゃないの?」

「…っ!!」


 …図星。