魂狩り

「鎌君……?危ないよ……」


解斗は恐怖した。


鎌が赤い目で、無表情で、じっと見つめていたから。


そして昨日の夜中やったように、右手を左から右へスライドする。


モニターが現れた。


鎌はモニターを操作し、パソコンでいうエンターを押して、モニターを閉じる。


その時には顔は無表情から笑顔に変わり、解斗に向けて手を振った。


そして解斗が瞬きすると、鎌の姿は消えていた。


「解斗、どうした?上に何かあんのか?」


雷十が上を見上げたまま放心状態の解斗に近付き肩に手を置いて、不安そうな表情で言った。


が、轟音で掻き消された。


ガシャンッ!!


解斗がはっとして音がした方を見ると、機械で上に上げられていた鉄柱が、尖った方を下にして降ってきた。


「うわあぁぁあああぁぁぁぁっ!!」


解斗は顔を腕で守り、目を瞑った。


ガッシャアァァァンッ!!!


すぐ隣で、耳をつんざく轟音が響いた。


待てよ、今僕の隣には……


冷静に考えた頭の中で出た答えは、残酷だった。


今僕の隣には、雷十がいるんじゃないの?