次の日。
「はぁ……本当にどこに行ったんだろう。僕の財布」
支度をするため、鞄を開いた。
すると
「あっ……」
解斗の財布が、鞄に戻っていた。
「鎌君が戻してくれたのかな?」
首をかしげて、推測を口にする。
「……まぁいいや。
行ってきまーす」
解斗は家を出た。
▽ ▲ ▽
解斗が登校すると、雷十はまだ来ていなかった。
「…おはよう」
「おはよ。解斗君」
席に座って笑顔で挨拶を返したのは、紛れもない鎌だった。
「鎌君が財布を戻してくれたの?」
解斗は鎌の机に近付いて聞いた。
「え?違うよ?ボクは昨日ずっと探してたけど」
鎌は不思議そうな表情で首をかしげた。


