魂狩り

時は進み、放課後。


「帰るか……」


解斗は教科書を鞄に入れ、席を立つ。


「解斗、帰んの?
一緒に帰ろうぜ!」


雷十が笑顔で話掛けてきた。


「あ…ごめん。今日は用事があるから早く帰んないといけないから……」


解斗がぎこちなく答えると、そうか…と肩をすぼめた。


「じゃ、また今度一緒に帰ろうなー」


「う、うん」


ぎこちない笑顔で手を振り、教室を出た。


「迷ってるねぇ……ふふふ」


鎌が机で頬杖をついて呟いた言葉を、解斗は知る由も無い。






▽ ▲ ▽


満月が光る夜。


月の光は、夜の学校を不気味に演出する。


そんな中、屋上にひらひらと舞いながら赤い羽が落ちてきた。


羽は屋上に辿り着くと、強烈な光を発した。


光が消えると、ワイシャツに制服のズボンを身に付けた鎌が現れた。


鎌は屋上の柵を乗り越え、端に座った。


ごそごそとポケットをまさぐると、赤い羽を取り出した。


鎌は羽をくるくる回して遊ぶ。