魂狩り

……って、何を考えているんだ!?僕は!


ツッコミしながら頭を振った。


さっきの自分がどんな顔をしていたか……考えるとゾッとする。


こんな考えはさっさと忘れないと。


たったさっきの感情を忘れるために、熱心に勉強に取り組んだ。





▼ △ ▼


昼の時間。


クラスのみんなが弁当やパン片手に、笑いあっている。


解斗もパンを買いに行くために、鞄から財布を取り出そうとした。


「え?」


鞄を探る手が止まる。


「財布が…無い?」


解斗の鞄の中から、財布が消え去っていた。


「解斗君、どうしたの?」


ハッとして隣を見ると、ビニール袋片手に首を傾げている鎌がいた。


「財布が…僕の、財布が無いんだ……」


「パン、一つあげようか?」


「良いの?」


「いいよっ!」


ニコッと笑ってパンを差し出す鎌を見ていると、今朝考えていた感情が馬鹿らしく感じた。