解斗は涙をいくつもいくつも流しながら、夕暮れの廊下を歩いていた。


和哉君が居ない?有り得ない。昨日話した。いつも見ていた。笑いあった。


全ては、僕の夢?


いや、有り得ない。


和哉君と別れた後転んだ。確かに痛みを感じたはずだ。


じゃあ、何故……?


考えても考えても、出ない答え。


モヤモヤと晴れない頭をそのままに、靴を履き替えて玄関から出た。


ぽつりぽつりと、また涙が溢れた。


砂利を濡らして、地面に染み込む。


解斗は、何かの流れに成す術なく流されていた。