魂狩り

「さて、と……」


鎌が振り返る。


返り血を浴びた制服に似合わない笑顔で、鎌は人差し指を前に突き出す。


「みんなも抵抗したり暴言吐いたらこうなるからね★勉強になったでしょ?」


鎌が指差す先は、先程まで雄介がいた場所だった。


解斗と雷十は青ざめていた。


「おい…何だ?あいつ……」


「僕も……良く分からない」


二人が立ち尽くしていると、


「良し、一時間目始めるぞー」


教師が入ってきた。


その声にハッとして、二人は席についた。










授業中。


解斗はちらりと鎌を見た。


鎌はつまらなさそうに肘をついて、シャーペンを鼻の下に引っ掛けていた。


ひょいとシャーペンを取り、ペン回しをし始めた。


それに教師が気づく。


「神崎君、授業に集中しなさい」


「はぁーい」


間延びした声で鎌は答える。


ペン回しを止めて、ノートに書き始めた。


ホッとした解斗は、再び授業に取り組んだ。









授業終了のチャイムが鳴り響く。


「起立!礼!着席!」


日直の声に従う。


教師が教室から出ると、教室が一気に騒がしくなった。


鎌はぼーっとして、雷十は他のクラスメートと話し、解斗は読書をしていた。


大体の休み時間は、こう過ごす。