魂狩り

「うざい?大体さぁ、うざいって言ってる奴がさぁ」


鎌は一旦言葉を切る。


大きく息を吸い込み、


「いっちばん、うぜぇんだよ!!」


普段出さない声の大きさとトーンで、鎌は叫んだ。


それに雄介が怯んだ隙に、鎌が大鎌を取り出す。


「死にたいかって、ボクは聞いた。キミは最後の忠告を無視した。それが、この結末を呼んだ。分かってるよね?誰が悪いか」


大鎌に腰を抜かした雄介を、鎌は冷たい目で見下ろす。


「全部、キミが悪い。キミが悪いせいで、キミが死ぬ。キミの魂はボクが喰らい、キミの体はキリが喰う。だから……」


鎌は安心する笑顔で、


「安心して、死ね♪」


キリと呼ばれた鎌の大鎌が、雄介を切り裂いた。


「うがっ……」


「安心してね★一発で殺してあげたから★」


雄介は口から血を流してカクリと首を曲げて息絶えた。


「よぉし、魂、いっただきー★」


鎌は嬉しそうに笑うと、手を雄介の心臓部に翳した。


白く光る球体が、すうっと鎌の手に吸い込まれた。


「おけっ!じゃ、キリ。後片付け宜しく♪」


「グルッ」


キリと呼ばれる大鎌は小さく唸り、雄介の死体へ近付く。


キリがグワッと刃の部分を開くと、死体から流れた血や衣類、更に雄介の私物や机が集まり、一つの直方体へ変わった。


キリは赤黒い直方体を、大きく開いた口で喰らった。