今日は、白夜中学の始業式。


長い冬休みが明けて、皆が学校に揃う日。


そのうちの一人、霧野解斗は、先日の少年の事を考えていた。


(あの子……何者だろうか)


気が付いたら教室の前。


ドアを開けて、教室へ入る。


「よー解斗!久し振りー!」


「あ、雷十!久し振り!」


解斗に声をかけたのは、守風雷十(かみかぜらいと)。


雷十と解斗は親友だ。


「ちゃんと宿題やって来た?」


「もちろんだ」


「だよね~」


解斗は笑う。


ガララララッ


教師が入ってきた。


「みんな今日は始業式だ。気を抜かずにな。
それと、今日は転校生がいる」


ドキッ


解斗の心臓が高鳴る。


(違う…よね?偶然だよね?)


教師から出てきた言葉は、解斗の祈りを全否定するものだった。


「彼が転校生の神崎鎌君だ」


「よろしくお願いしまーっす!」


入ってきたのは、赤髪青目の鎌。


この中学は校則がゆるく、髪を染めている人が多いが、流石に青目はいない。


その証拠に、皆唖然としている。


「あれ?どしたの?ボクの容姿が変とか言うやつは殺すけど、なに思ってるか言ってみてよ」


ニッコリ微笑んでいる鎌の目には、微かな殺気が宿っていた。