寒さはゆるむことを知らず未だに雪は降り、相変わらずの寒空の中、こちらも相変わらずの半袖パーカーに短めのズボンと勇気ある服装。


鼻歌を歌う彼は、神崎鎌。


今日は、彼が通う事になる中学校に入学のための手続きをする。


「めんどくさ…これだからガッコウって嫌い」


こっそり毒を吐き、でも人間らしく鎌は歩く。


中学校に到着し、学校の中に入っていく。


難しい資料を読み、よくわからない書類に記入して、なんだかんだで手続きは終わった。


「あー疲れた。早く帰りたいなぁ」


フラフラと歩きながら、鎌はもらった生徒手帳を読む。


ドンッ


不意に誰かにぶつかった。ムッとして不機嫌そうな顔で振り返る。


「ごっ、ごめんなさい!怪我はありませんか!?」


ぶつかったのは、青い髪という珍しい容姿の男。


「怪我は無いけど。キミ、何様?ボクにぶつかるなんてさ」


不機嫌そうな顔で睨み付ける。


「ごめんなさい…僕、霧野解斗(きりやかいと)と言います。あの…君、名前は?」


「ボクは名前を聞いたんじゃないけど?まぁいいや。
ボクは鎌。神崎鎌」


鎌は睨みながら答える。


「鎌君か。その手帳、白夜(びゃくや)中学校のでしょう?」


「そうだけど」


「僕もその中学校の生徒なんだ。よろしくね」


ギュッと、手を握られた。


こういうのを握手っていうらしい。