魂狩り




「悲鳴くらいあげろよな。つまらねェ」


魂を取り出しながら冷たく言い放つ。


「オイ月光……って、マジかよ」


ギロチンをすり抜けて、新矢が入ってきた。


その後ろには針谷楔と思われる男子。


「ま、ちょうど良いな。狩る手間が省けて」


横たわる真っ二つの人間から魂を取り出す。


「……君が神月月光だね?」


針谷楔と思われる男子生徒が話し掛けてきた。


「あァ。お前は針谷楔か?」


「そうだよ。流石だね。神崎兄弟と共に暮らしているだけある」


魂を喰らいながら答える楔。


「さァて、魂も喰った事だし、行くか。
オイ月光。さっさと元の姿に戻れ。人間に見られるぞ」


そういやそうだったな。


漆黒のローブを手で消す。


「もうすぐ授業も始まるからね。急ごう」


針谷楔が腕時計を見て言う。


ギロチンも死体も消し、何事も無かったかのようにトイレから出た。