「そういや、針谷楔という奴は何処だ?この高校に通ってるんだろ?」
「楔は隣のクラスだ」
針谷楔とのコンタクトは新矢がいないと難しそうだ。
「そうか」
黒板を見る。
先生が何か書いて説明しているが、全て知っている事だ。
現に新矢もつまらなそうにしている。
だから今コンタクトをとっているんだが。
だが見付かるとまずい。手紙にするか。
メモ帳の一枚をちぎり、文字を書く。
『尾乃新矢、神崎鎌の事は知っているか?』
すぐに返ってきた。
『知っている。後、俺の事は新矢と呼べ。許可する』
『では新矢、俺は今鎌と鎌の弟の神崎鎧と暮らしているが、新矢は楔と暮らしているのか?』
『アイツと一緒とはお気の毒だな。
あァそうだ。俺は楔を守ると決めたからな』
どうやら新矢は針谷楔をとても大切にしているようだ。
鎌の的にされないように注意しなくては。


