何故自分がこんなに好かれるのか。
周りを見れば一目瞭然だった。
この高校は顔があれな人が多数のようで、良い人は良い人で、ずば抜けている。
自分は後者だった。
死神は普通隠密行動なので、誰かに好かれたり目を付けられては困る。
だと言うのにこの有り様だ。
ハァッと溜め息をついた。
ヒソヒソ声が聞こえるが今度は無視して、携帯音楽プレイヤーにイヤホンを繋ぎ、音楽を聴きながら教室へ入った。
一瞬目線が注目するが、半分ほどはすぐ無くなる。
男子の目線は。
女子の目線はいつまでも青年へ向けられ、イヤホンをしてるというのに声が耳に入る。
目線といい声といい……うんざりしていた。
気を紛らわすため、自分が高校生になった時のことを思い出していた。


