魂狩り



「学校、か……」


ポツリと呟いた青年は頭に積もった雪を払い、両手をポケットに入れた。


彼の通う高校は制服を着なくてはいけないので、冬などは苦しい。


校門を抜け、玄関のドアを開けた。


すぐにヒソヒソ声が耳に入る。青年は舌打ちした。


(今日も来たよ月光先輩!相変わらずカッコいいよね~)


(ね~。彼氏にしたいよ。月光先輩と付き合えたら、幸せだろうな~)


(あっ、月光先輩こっち気付いたよ!挨拶しよ!)


「おはようございます!月光先輩」


「…………おはよう」


(見た!?見た!?今の!)


(見た見た!やっぱりカッコいい~)


(クールだよね~)


「……うざったい」


誰にも聞こえないような声で呟いた。