「最近の人間は貧弱だよねー」


多少失礼な言葉を平然と吐いた少年は、うっすらと雪の積もった屋根に寝転がった。


「今日は誰狩ろうかなー」


少年はニヤリと笑う。


彼がしていたのは、単なる品定め。



「あいつもダメ、こいつもダメ……」


町行く人を指差しながら呟く少年。


「なかなか美味しそうな魂が無いね。みんな病んじゃってさー」


不機嫌そうに言った少年は、屋根から飛び降り、軽々着地した。


履いていたスニーカーが雪に埋もれたが、お構い無しに雪を蹴飛ばす。