はーやっとついた。
手が冷たい。
ガチャッとドアを開けて、家の中へ入った。
ふわりと暖かい空気が冷えた体を暖める。
「鎌兄ー!」
廊下を走ってお出迎えしてくれたのは、ボクの弟、神崎鎧(かみざきがい)。
ボクと鎧はすごく仲良し。
いつも一緒にいる。
あと一人同居人がいるけど……魂狩りしてるみたいだからやめておこう。
「ねぇ鎌兄、今日はどんな魂食べた?」
「あまーいの♪」
「えーいいなー」
頬を膨らませたということは、あんまり美味しく無かったんだろう。
「……お前らは玄関先で何を駄弁っている。人間に聞かれたら大騒ぎするぞ」
「あっ!月光帰ってきたんだ!」


