雪がしんしんと降る中、一人で歩く少年がいた。
この寒空だと言うのに、半袖のパーカーに短めのズボンという度胸ある服装だった。
町行く人が皆振り返るが、少年はお構い無しに鼻歌を歌いつつ、てこてこと歩いていた。
赤黒い髪に雪を纏わせ、 それでも寒そうな素振りは全く見せず、何の曲かも分からない鼻歌を歌いながら空を見上げ、白い息を吐いた。
「……あれっ?」
少年は自分の真横にある自動販売機に顔を向けた。
スニーカーで積もった雪を蹴飛ばしながら自動販売機に近付き、中を覗き込む。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…