(三春side)

私は、意を決して立ち上がると、宿に向かって歩き出した。


大和・・・・・・。


「てめえ、三春じゃねえか」


振り返ったそこには、険しいながらも整った顔。


「東条さん」


副忍の、東条さんが紙袋を持っていた。


「お買い物ですか?」


「ああ・・・・・・甘味をな。食うか?」


「あの、私・・・・・・急いでいるんで」


「そうか、なら話がある。来い」


私に背を向けて歩き出した東条さん。


着いてこいってこと?


いや、あの・・・・・・急いでるって言ったばっかりなんですけど。