確かにそうだ。

私、大崎三春が生まれた忍島(シノビジマ)には、2つの忍村と2つの忍衆が存在し敵対している。

私は2つのうちの1つ。鬼の忍衆(オニノシノビシュウ)の忍のもとに生まれた。

そして、それすなわち、敵である竜の忍衆(タツノシノビシュウ)の忍を殺すことが生きるための最低条件となる。

「ですが、敵も戦いではなく山から転げ落ちての怪我だったと聞きます。それを殺す必要は・・・・・・」

「それだから三春は殺しに出せんのだ」

そう、私はまだ人を殺したことはない。