「知らないで何かを言うのは簡単だよ。でも、言えない何かを伝えるのって、すごい難しいんだ。でも、分かり合えたら、本当のことがわかったら、全部、全部わかるよ。許せるよ。謝れるよ。素直に、気持ちを伝えられるんだよ」


「私は、記憶もないのに、何をした覚えもないのに、大和に突き放されて、怖くて、辛くて、……知りたいよ。大和の、気持ちを」


あんなに辛かったけど、今は、そんなことより大和の気持ちを知りたい。


大和の、思っていることの全てを共に背負いたいんだ。


「三春の来た日の夜、今話したことを思い出した……三春のこと、同じ目に合わせたくなかったんだ」


「同じ目?どうして?私はそんな目に合わないよ」


「親がいない同士、っていうのかな?同じものを覚えたんだよ、三春にさ。それと、父さんと母さんは愛し合っていたからこそ、後を追うなんて悲劇が起きたんだ」


いつの間にか、離れていた私達は、人1人分が座れるほどの距離を開けていた。


愛し合っていた……。


胸の奥が、熱くなる。でも、それに私が関係してるの?


「愛し合ったら、死んだ後を追うかもしれない。そんなの、俺はやなんだ。俺は1番隊隊長だから、死と隣り合わせだし」


「何のことを言ってるの?大和は、誰かが好きなの?」


「え、あ、あの……み、み///」


顔を真っ赤にする大和に、こっちまで赤くなってしまう。


「み?」


「な、なんでもない!と、とりあえず嫌いとかじゃないから!おやすみ!」


「お、おやすみ…」


気になる。


み……?まさか、私、とか?


なんて、あるわけもないよね。