そのとき、何かに弾かれたように手が動いた。


『今・・・・・・行くよ。“俺”も・・・・・・』


一緒にいたいんだ。


父さんとも、母さんとも・・・・・・。


ねえ、ひとりぼっちになんかしないよね?


俺を、一人にするわけないよね?


母さんが死んだのは、俺を一緒につれていくためでしょ?


『ひどいなぁ・・・・・・だったら、母さんが殺せばいいのに・・・・・・』


俺は笑っていた。狂ったように。


『これで、皆一緒だね』


―――グサッ


俺は、腹を刺してそこで意識を失った。


死んでいいんだ。


死ぬのは怖くない。


死ぬのはいけないことじゃない。


死ぬのは、二人と会うことなんだ。


目が覚めたとき、俺はまた涙したんだ。