それから、施設に入って10年。
私は15歳になった。
そしてまだ同じ施設で暮らしていて、
来年からは高校生だから、
この施設を出て寮がついた高校に入学する為…勉強をしなくてはいけない。
もしくは、入学じゃなくて就職だ。
どっちにしろこの施設を出て行かなければ行けないことにかわりはない。
だから今から…来年の事を考えていなければいけないんだ。
「也姉ちゃん!遊ぼ〜?」
「あ、うん。…何して遊ぼっか。」
「かくれんぼ〜!!」
今では施設の中で学年が上のせいか、
学校がない日はよく遊んであげている。
そんな毎日は嫌いじゃない。
でも友達ができても、遊ぶ事もできず。
携帯電話も自分でお金が稼げる様になってから。
だから…いつからか私は学校でも独りぼっち。
すぐに出来たばかりの友達も離れて行った。
こんな風になったのは全部、全部あの人達のせいだって…
大好きだったお母さんやお父さんを恨む様になった。
この歳になって最初から私への愛は無かったんだと知ってね。
感情は私にとって余計なモノでしかなくて。
自分が気づかないうちにどこかに忘れてきた。
その事については全く後悔なんてしていない。
今でも…。

