ビターオレンジ。






小さな食卓テーブル。

それを囲うように二つ向かい合った場所にある椅子。




目の前でマグカップに入っている珈琲を飲んでいる本宮君。




「甘さ大丈夫?」





苦いのが駄目な私。

だから、珈琲は砂糖をこれでもかってくらい入れる。



とうの本宮君は甘いのが苦手。

だから…遠慮して砂糖を3杯にしておいた。





「…甘ったるい。」





でも、それは本宮君の口には合わなかったようで…。

いっそブラックでも良いんじゃないかと思った。







「お前のは?…一口頂戴?」




そうしたらだ、軽々と私の持っていたマグカップはいつの間にか本宮君が持っていて…





「あ、…え、あっ…」


「…良くこんな激甘な珈琲、飲めるな。」






意地悪く笑って私の珈琲を飲んでいた…。




ん?


あれ?



…少しだけ停止した頭をフル起動させて、この行為を何と言うか検索する。







うん。


間違いなく…





「…か、…か…関節キス…?」



言った後に後悔するが、
口にしてしまったからには仕方ない。







疑問系で本宮君に尋ねた事が可笑しかったのか…クスクスと小さい子供の様に笑っていた。



私はというと、恋愛だとか…キスだとか…それ以上なんて今まで考えもつかない分類にされていて…






だから勿論。




「いや、普通にキス位した事あるしょ?」




未だに笑いながらそう聞いてきた本宮君に首を横に振るしかない訳で…。



その後、お子様だと馬鹿にされた事は言うまでもない。





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